仕事疲れをアロマで消そう
溜まった仕事の疲れ、長年にわたりアロマセラピーを活用してきました。室内で仕事をすることが多いため、部屋の空気の大切さを実感してきました。アレルゲンになるダスト、トナーなどに含まれる化学物質、エアコンのカビなど、目に見えない物質を吸ってしまっています。鼻はないがしろにされがちですが、脳に刺激をもたらす嗅覚は、視覚や聴覚、味覚と同様、大切なものです。
特に香りや臭いは、ストレスにも大きく影響をもたらすものです。今回は備忘録も兼ねて、アロマの効果的な使い方についてまとめてみました。
エッセンシャルオイルのアロマの効能の種類
アロマセラピーには、エッセンシャルオイル(精油)、つまり100%植物から抽出された香りの高い液体だけを使いましょう。沢山の素材を時間をかけて抽出するので、希少なものほど価値が高く高価です。原料の成分表や団体の証明書などが付いたオイルを使用しましょう。呼吸系や身体に作用するので、効果効能をしっかりと把握して、注意深く使用していきたいものです。
「精油禁忌」などで検索し、使ってはいけない人や時期などを必ず確認しましょう。妊娠時期、乳児・幼児や高齢者がいる場合、持病がある場合は、特に注意が必要だと思います。特に女性のホルモンバランスにも影響を及ぼすようです。自分だけでなく周りの体調が悪い時は、しばらく控えましょう。
エッセンシャルオイルのアロマの効能は、大きく3つに分類できます。
体に働きかける
体に働きかける効能とは、エッセンシャルオイルが皮膚や呼吸器などの器官や組織に直接作用することです。例えば、風邪や鼻づまりにはユーカリやペパーミントなどの清涼感のある香りを吸入したり、蒸留水に混ぜてスプレーしたりします。また、筋肉痛や関節痛にはローズマリーなどの血行促進作用のある香りをキャリアオイルと混ぜてマッサージしたりします。さらに、傷や炎症にはティートリーやラベンダーなどの抗菌・抗炎症作用のある香りを希釈して塗布したりします。
心に働きかける
心に働きかける効能とは、エッセンシャルオイルの香りが感情や気分に影響を与えることです。例えば、リラックスしたいときにはラベンダーやカモミールなどの鎮静作用のある香りを選びます。逆に元気になりたいときにはレモンやグレープフルーツなどの爽やかな香りを選びます。また、不安や憂うつを和らげたり、集中力や記憶力を高めたりする香りもあります。
環境に働きかける
環境に働きかける効能とは、エッセンシャルオイルが空気中の細菌やウイルスを除去したり、虫を寄せ付けなかったりすることです。例えば、インフルエンザやコロナウイルスなどの感染症予防にはタイムやオレガノなどの強力な抗菌・抗ウイルス作用のある香りをディフューザーで拡散したりします。また、蚊やダニなどの害虫対策にはレモングラスやゼラニウムなどの防虫作用のある香りをスプレーしたりします。
代表的な効能の一覧
エッセンシャルオイル | 心に働きかける | 体に働きかける | 環境に働きかける |
ラベンダー | 鎮静、抗ストレス、安眠 | 抗炎症、抗菌、傷の治癒、ホルモン分泌調整 | 抗菌、消臭 |
ユーカリ | 頭脳明晰、気分爽快 | 鼻づまりや咳の緩和、去痰作用、免疫賦活作用 | 抗菌、抗ウイルス、防虫 |
ローズマリー | 集中力や記憶力の向上、気分の高揚 | 血行促進、筋肉痛や関節痛の緩和、消化促進、食欲増進 | 抗菌、防虫 |
オレンジ | 抗ストレス、リラックス、安心感 | 血行促進、冷え性の改善、消化促進、食欲増進 | 消臭 |
タイム | 気分の高揚、元気づける | 免疫賦活作用、風邪やインフルエンザなどの感染症の予防や回復を助ける、消化促進 | 抗菌、抗ウイルス |
ディフューザー
エッセンシャルオイルを拡散させるディフューザーも、最近では沢山の種類がみられます。ディフューザーは大きく4つに分類できます。
気化式ディフューザー
リードディフューザーは、挿したスティックにエッセンシャルオイルが染み込んで香る仕組みです。スティックの素材や長さによって香り方の違いを楽しむことができます。
同じ原理ですが、アロマストーン、アロマウッドに浸み込ませて、ほんのりと香らせる方法があります。正しい使い方かは分かりませんが、アルコールでオイルを少し薄める方が香りが広がりやすい気がします。
加熱式アロマディフューザー
エッセンシャルオイルを入れたお皿をろうそくの火や、ヒーターの熱で温めて香りを拡散する仕組みです。アロマポットと言うと分かりやすいかもしれません。オイルが温められることでお皿部分に固着しますが、エタノールなどに漬けると取れやすくなります。陶器で出来ているものは、割れないように気を付けましょう。キャンドルも電気のタイプも火災の原因にならないよう注意する必要があります。
長時間、焚き続けると揚げ物をする時と同じで油分が壁や天井に付着します。変色したり、酸化すると悪臭の原因になるのではないかと思います。
超音波式アロマディフューザー
アロマオイルを水で希釈し、超音波でミストにして部屋に拡散させる仕組みです。オイルを加熱しないので変わらない香りを楽しめます。水で希釈するので香りが薄くなる気がします。比較的、安価で販売されているので、これまでに何度か購入し試してきました。
超音波式加湿器ほどではないかもしれませんが、機器類や水を衛生的にしないと雑菌が繁殖し、間質性肺炎などを引き起こす危険性があります。水分を空気中に拡散させるので、機器の周囲に水分が溜まりやすくなります。湿度や温度が高いとカビの原因になります。
噴霧式アロマディフューザー
水を使わず、エッセンシャルオイルそのものを空気の振動によって霧状にして拡散する仕組みです。私が最近使用しているネブライザー式は、オイル瓶を直接セットできるのでお手軽に使えます。
エッセンシャルオイル本来の濃厚な香りを楽しめます。ネブライザー式は清潔に使用しやすいため、雑菌を空気中にまき散らす心配がほとんどありません。同じ香りが続くと、慣れてしまいますが、インターバルやタイマーを組み合わせることで、周期的に香りを漂わせてくれるのでとても便利です。高濃度のオイルを吸ってしまうので、なるべく使用時間を少なくするように設定しています。
その他の使用上の注意点
仕事の疲れを消そうと思って使用しているのに、身体に悪い使い方をしては本末転倒です。空気中に拡散する時は、他の人のことも配慮しましょう。機器類を使うときは、使用上の注意を守って、しっかりとお手入れしましょう。
エッセンシャルオイルは、100%植物から取られているオイルなので、開封したらなるべく早く使いきりましょう。酸化したものは使用しないようにしましょう。エッセンシャルオイルの代表的な禁忌を表にしました。参考になさってください。
注意するべき事項 | 禁忌の精油 |
妊娠中注意又は禁止する | アニス、アンジェリカ、ガルバナム、カンファー、クミン、サイプレス、サントリナ、シダーウッド、シナモン、ジャスミン、ジュニパー、スパイクラベンダー、スペアミント、セージ、ゼラニウム、タイム、ディル、ナツメグ、バジル、パセリ、ヒソップ、フェンネル、ペパーミント、マージョラム、メリッサ、ミルラ、ヤロウ、ローズマリー、ローレル |
妊娠初期に注意又は禁止する | カモミール・ローマン、カモミール・ジャーマン、クラリセージ、サイプレス、シダーウッド、ジャスミン、ジュニパー、ゼラニウム、ペパーミント、マジョラム、ミルラ、メリッサ、ヤロウ、ラベンダー、ローズ、ローズマリー |
授乳中 | ペパーミント |
皮膚感作 | アニス、クミン、シナモン、フェンネル、ベルガモット |
皮膚刺激 | アニス、グレープフルーツ、サントリナ、シダーウッド、ジンジャ、ゼラニウム、ナツメグ、ブラックペッパー、ライム、ローレル |
敏感肌 | カルダモン、イランイラン、エレミ、オレンジ、キャラウエイ、ティートリー、パイン、バジル、バーベナ、ベルガモット、ボダイジュ花、メリッサ、ヤロウ、レモン、レモングラス |
光毒性 | アンジェリカ、オレンジ、タンジェリン、マンダリン、ライム、グレープフルーツ、ベルガモット、レモン |
マッサージ不適当 | クローブ、ピメント、ペパーミント |
量を控える、連続して使わない | イランイラン、オレンジ、クラリセージ、ジュニパー、ブラックペッパー、ペパーミント、ベルガモット、マジョラム、ヤロウ、ユーカリ、レモン、レモングラス、ローズマリー、タジェティーズ、ヒソップ、ピメント、フェンネル、リツェアクベバ |
車の運転禁止 | クラリセージ |
アルコール摂取 | クラリセージ |